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【徹底解説】イエスはなぜ十字架で死んだのか?【関連絵画も紹介】

聖書

 

女性
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歴史の教科書でイエスが十字架で処刑されたと学びました。なぜイエスは十字架で死ななくてはならなかったのですか?

 

あと、どうしてキリスト教は教会堂に十字架をつけるぐらい、十字架を大切にしているのですか?

キリストさん
キリストさん

疑問にお答えいたします。

 

まず、イエスが十字架で死んだ理由をお話ししますね。

 

その後で、どうしてキリスト教(クリスチャンたち)がイエスの十字架を大事に思っているかもお伝えします。

この記事を書いているわたしは、クリスチャンの家に生まれ育ち、プロテスタントの牧師になるための神学校を卒業後、約20年間キリスト教会で牧師として働いてきました。

このようなわたしが上記の質問にお答えします。

ぜひ、最後までご覧ください。

【徹底解説】イエスはなぜ十字架で死んだのか?

ここでは、イエスがなぜ十字架で死んだのかを3つのポイントで解説いたします。

イエスが悪いことをしたからではありませんでした

まず、イエスが十字架で処刑されたのは、犯罪を犯したからではありませんでした。

 

イエスに罰せられるべき罪がなかったことは、イエスを十字架刑にしたローマ総督ポンティオ・ピラト自身が公に三度も証言したことでした。

 

「わたしには、この人になんの罪も見いだせない。」

                                                                                 (新約聖書 ヨハネによる福音書18:38)

 

「するとピラトは、また出て行ってユダヤ人たちに言った、「見よ、わたしはこの人をあなたがたの前に引き出すが、それはこの人になんの罪も見いだせないことを、あなたがたに知ってもらうためである」。」

                                                                                   (新約聖書 ヨハネによる福音書19:4)

 

「祭司長たちや下役どもはイエスを見ると、叫んで「十字架につけよ、十字架につけよ」と言った。ピラトは彼らに言った、「あなたがたが、この人を引き取って十字架につけるがよい。わたしは、彼にはなんの罪も見いだせない」。」

                                                                                   (新約聖書 ヨハネによる福音書19:6)

 

つまり、イエスが十字架にかけられた理由は、イエス自身が何か悪いことをしたからではなかったのです。

 

イエスが十字架にかけられた理由は、人々の悪のためでした

イエスが十字架につけられ、殺されたのは、イエスの周りにいた人々の悪が原因でした。

イスカリオテのユダの裏切り

イエスの側近であった12使徒の1人イスカリオテのユダがイエスを裏切り、祭司長たちに売りました。

 

「時に、十二弟子のひとりイスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところに行って言った、「彼をあなたがたに引き渡せば、いくらくださいますか」。すると、彼らは銀貨三十枚を彼に支払った。その時から、ユダはイエスを引きわたそうと、機会をねらっていた。」

                                                                           (新約聖書 マタイによる福音書26:14-16)

祭司長たちや民の長老たちのねたみ

祭司長たちや民の長老たちはイエスの人気をねたんで、彼を殺そうとしました。

 

「彼らがイエスを引きわたしたのは、ねたみのためであることが、ピラトにはよくわかっていたからである。」

                                                                                 (新約聖書 マタイによる福音書27:18)

ピラトの保身

ピラトはイエスに罪がないと知っていました。

 

しかし、祭司長たちと長老たちが群衆をけしかけ、イエスを十字架につけることを強く迫った時、自らの保身のために無実のイエスをむち打ち、十字架で処刑させたのです。

 

公正な裁判を執行すべきローマ総督の立場にある者として、あってはならないことでした。

 

「ピラトは手のつけようがなく、かえって暴動になりそうなのを見て、水を取り、群衆の前で手を洗って言った、「この人の血について、わたしには責任がない。おまえたちが自分で始末をするがよい」。」

                                                                                               (マタイによる福音書 27:24)

 

「そこで、ピラトはバラバをゆるしてやり、イエスをむち打ったのち、十字架につけるために引きわたした。」

                                                                                               (マタイによる福音書 27:26)

群衆の軽薄さ

日曜日にイエスを熱狂的に都に迎えた人々は、それから5日後の金曜日にはイエスを「十字架につけろ」と叫んでいました。

 

イエスをねたんだ祭司長たちや民の長老たちにあおられたとはいえ、移り気な群衆にも問題がありました。

弟子たちの弱さ

イエスの弟子たちもイエスが不当に逮捕されるのを見たとき、イエスを見捨てて逃げ去っていきました。

 

イエスの周りの人々のこうした罪、悪、弱さによって、イエスは十字架にかけられて殺されることとなったのです。

十字架事件の真相ーイエスは自ら十字架に向かったー

イエスの十字架には表と裏の両面があります。

 

表の面は、これまで説明してきたように、罪のないイエスが周りの人々の醜い罪によって殺されたことです。

 

裏の面、すなわち、十字架の真相とは、実はイエスが自ら進んで十字架で命を捨てたということです。

 

「そんなことありえないんじゃないですか?誰が自分から死にに行くんでしょうか?」と、この記事を読んでくださっているあなたは、きっと今そう思ったことでしょう。

 

でも、イエスが十字架を自ら選び取ったのは、事実なのです。

 

なぜなら、イエス自身がそう語ったからです。

 

たとえば、イエスは十字架で死ぬ前に、弟子たちに何度も自分の死を予告していました。

 

「この時から、イエス・キリストは、自分が必ずエルサレムに行き、長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受け、殺され、そして三日目によみがえるべきことを、弟子たちに示しはじめられた。」

                                      (マタイによる福音書 16:21)

 

「彼らがガリラヤで集まっていた時、イエスは言われた、「人の子は人々の手にわたされ、彼らに殺され、そして三日目によみがえるであろう」。弟子たちは非常に心をいためた。」

                         (マタイによる福音書 17:22-23)

※「人の子」は、イエスが自身を指して言うときに使った呼び方です。

 

「見よ、わたしたちはエルサレムへ上って行くが、人の子は祭司長、律法学者たちの手に渡されるであろう。彼らは彼に死刑を宣告し、そして彼をあざけり、むち打ち、十字架につけさせるために、異邦人に引きわたすであろう。そして彼は三日目によみがえるであろう」。」

                           (マタイによる福音書 20:18-19)

 

三度目の予告では、イエスははっきりと「十字架」と言っています。

 

このように、イエスは自分自身が死ぬ定めにあることを深く意識していました。

 

逃げようと思えば、いくらでもチャンスがあり、そもそもエルサレムの都に行きさえしなければ、殺されずにすんだのです。

 

しかし、イエスはエルサレムへ自ら進んで行かれました。

 

その理由については、次の「クリスチャンが十字架を大事にするわけーイエスの十字架の意味ー」で丁寧に解説しますが、ここではイエス自身の言葉を引用して、おおまかに説明しましょう。

 

「わたしがきたのは、羊に命を得させ、豊かに得させるためである。わたしはよい羊飼である。よい羊飼は、羊のために命を捨てる。」

                          (ヨハネによる福音書10:10-11)

 

ここでイエスは、自分を「羊飼」に、わたしたち人間を「羊」にたとえています。

 

良い羊飼いは自分の羊を本当に大切にし、獣や盗人から守るために命をかけます。

 

同じように、イエスはわたしたち人間を愛して、わたしたちが真のいのちを豊かに受けるために自分の命を捨てると宣言したのです。

クリスチャンが十字架を大事にするわけーイエスの十字架の意味ー

キリスト教が十字架のシンボルを大事にし、教会堂にもつけているのは、イエスの十字架が持つ意味のためです。

 

ここではイエスの十字架の2つの意味を取り上げます。

 

イエスの愛のあらわれだから

クリスチャンたちがイエスの十字架を記念するのは、そこにイエスの愛があらわれているからです。

 

「主は、わたしたちのためにいのちを捨てて下さった。それによって、わたしたちは愛ということを知った。それゆえに、わたしたちもまた、兄弟のためにいのちを捨てるべきである。」

                       (新約聖書 ヨハネの第一の手紙3:16)

※ここで「主」とは、イエスのことです。

 

イエスは十字架にかかって、わたしたち人間への愛を示してくださいました。

 

イエスの自己犠牲の愛はこの世界のあらゆる愛を超える愛であるため、クリスチャンたちはイエスの愛を知った時に、初めて愛を知ったと感じたほどでした。

 

神の子、救い主イエスの愛に感謝して、クリスチャンたちは十字架を大事にしてきたのです。

罪の赦しを与えてくれるから

キリスト教が十字架を大事にしてきたもう一つの理由は、イエスの十字架が罪の赦しを与えてくれるからです。

 

聖書は、創造主がわたしたち人間をお造りになったと教えています。

 

しかし、わたしたちは生まれつき創造主から離れて、「的をはずれて飛んでいく矢のような生き方」をしています。

 

聖書はこのような的外れな生き方を「罪」と表現しています。

 

聖書の視点では、この「罪」こそ、この世界のあらゆる悲惨と死の根本原因です。

 

創造主はご自分に背を向けているわたしたち人間をそれでも愛して、わたしたちの苦しみを放っておかずに、ご自分の子を救い主としてこの世に送ってくださいました。

 

そして、神の子、救い主イエスは、わたしたちを罪とその報いから救うために、自ら十字架に向かい、命を捨ててくださったのです。

 

イエスが十字架で自分を犠牲としてくださったために、イエスを信じる全ての人は罪が赦され、創造主といっしょに生きる祝福された人生を今から永遠に送ることができます。

 

クリスチャンたちが十字架を大事にするのは、イエスの十字架が罪の赦しを与えてくれるためです。

イエスの十字架と関連した絵画3選

さて、イエスの十字架の場面を描いた3つの名画を紹介いたします。

public domain

ルーベンスの傑作『キリスト昇架』は、1610年から1611年にかけて完成されました。

 

この絵画は、イエス・キリストが十字架に磔にされる様子と、その十字架を立てようとする9人の死刑執行人の姿を描いています。

 

ルーベンスがイタリアから帰国した後に初めて制作したこの作品は、ネーデルランドでバロック美術が広まるきっかけとなりました。

 

この作品はルーベンスの『キリスト降架』と対を成す作品で、両作品はアントワープ大聖堂に展示されています。

 

ウィーダの児童文学『フランダースの犬』では、主人公の少年ネロがこれらの作品を見ることを心から望み、ついにその願いが叶います。しかし、その直後に彼の愛犬パトラッシュと共にこの世を去ります。

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レンブラントの名作「十字架上のキリスト」は、200年間ほぼセキュリティーなしで、フランス南部の小さな教会(Église Saint-Vincent du Mas-d’Agenais)の壁に飾られていました。

1959年になって、この作品にはレンブラントのイニシャルRHLと1631年の日付が刻まれていることが発見され、レンブラントの創作と認定されました。

この作品は、美術館に展示されておらず、個人コレクターの所有でもない、唯一のレンブラントの絵画として、芸術愛好家の間では広く知られています。

public domain

ディエゴ・ベラスケスが描いた「十字架上のキリスト」は、1632年に完成した作品で、現在はスペインのプラド美術館に展示されています。

 

この絵画は、キリストの身体が暗闇から浮き出るような独特の光と影の効果を駆使しています。

 

ベラスケスの「十字架上のキリスト」は、スペインの宗教画の中で最も高い評価を受けている作品の一つであり、その深遠な霊性と神秘性で多くの宗教文献に影響を与えてきました。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。いかがでしたか?

 

この記事では、イエスが十字架で死んだ理由となぜキリスト教(クリスチャンたち)がイエスの十字架を大事に思っているかを解説いたしました。

 

イエスの十字架を描いた西洋絵画も3点ご紹介しました。

 

イエスが十字架で死んだのは、わたしたち人間を愛し、苦しみと死の根源である罪から救い出し、創造主との祝福に満ちた人生に導くためでした。

 

イエスはあなたのことを愛しています。

 

あなたのために十字架で命を捨てるほどに。

 

イエスの愛ほど素晴らしい愛はこの世界に存在しません。

 

あなたもイエスを救い主と信じ、創造主といっしょに生きる新しい人生をスタートしてみませんか?

 

もしイエスを信じる助けが必要なら、遠慮なくお問い合わせフォームからわたしまでご連絡ください。

 

イエスのことをもっと知りたい方は、ぜひ、他の記事もご覧ください↓↓

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                                   ● クリスチャンの家に生まれ育ち、プロテスタントの牧師になるための神学校卒業後、約20年間牧師として教会で働く。
                                   
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